Kansai Chapter of the Acoustical Society of Japan

関西支部 見学会・講演会(サントリー山崎蒸留所)

関西支部 見学会・講演会(サントリー山崎蒸留所)のお知らせ

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見学会の様子[2016/11/8]

見学会の報告:サントリー山崎蒸溜所


大阪府三島郡にあるサントリー山崎蒸溜所を見学させて頂きました。山崎駅周辺には千利休が建てた妙喜庵の他にもいくつか茶室があり、古くから名水の地として有名な場所です。また、宇治川、桂川、木津川が合流し霧が出る気候もウィスキー作りに適しているそうです。様々なコンテストで世界一の評価を得ている山崎や響はこの蒸溜所で作られています。

「やってみなはれ」の創業者鳥井信治郎氏
サントリー山崎蒸溜所。一つの蒸溜所でも多種多様な原酒を造る事を目指しておられるそうです。
工場の道を挟んで向かいに建つ「山崎ウィスキー館」。中にはお土産物屋さんやバーもあります。工場とウィスキー館の間の道は北側に建つ神社の参道にもなっており一般道だそうです。写真を見せて頂きましたが、季節によっては深い霧が立ち込めます。
山崎ウィスキー館の中にある「アンク」。いくつかスピーカが設置されていましたが、ほぼ全ての前に設置されていました。
創立当時の再溜釜(Spirit Still)です。No.2の刻印があります。
最初は「仕込」の工程を見学させて頂きました。ピートで乾燥させた麦芽の香りと普通に乾燥させた麦芽の香りの違いも体験させて頂きました。
「仕込」の見学コースの横にある「発酵」の工程を行う木桶。この工程でできあがったものを「もろみ」と呼ぶそうですが、我々の口に入るのは熟成を経た10年~20年後という事になります。
蒸溜室の中です。様々な大きさの釜があります。蒸溜室の向かって左側が初溜釜(Wash Still)で右側が再溜釜です(写真は初溜釜)。全て銅製で、それぞれ6基ずつあります。初溜釜は7~8年で交換する必要があるそうです。
ここで、蒸溜の状態を見極めるそうです(ホームページで確認させて頂くと検度器と呼ぶようです)。蒸溜室を出たところでニューポットの香りも体験させて頂きました。
ウィスキーの熟成を行う貯蔵庫です。国内のCMなどで使用されるのは、ほぼこの場所だそうです。ウィスキーは熟成中に樽から年に約3%蒸発してしまい、貯蔵庫の中は入っただけで酔ってしまうとか、、、。
1924年原酒の熟成樽。
工場見学から戻り、一番分かり易いという事で、熟成樽の違いによる味と香りの違いを体験させて頂きました。右奥は文字が隠れていますが、ミズナラ樽原酒です。樽を作る原木自体の数が少なく、非常に大事に使われているという事でした。中央奥がシェリー樽です。シェリー樽はスパニッシュオークを使用しているものとアメリカンオークを使用しているものがあるそうですが、サントリーではスパニッシュオークのものだけを使用されているそうです。スパニッシュオークの樽をシェリー酒生産者に預けて何年後かに回収する事で確保されているそうです。シェリー樽熟成の原酒だけを使用して作られたウィスキーが「シェリーカスク」になります。見学会に参加頂いた会員からは、ワイン樽が美味しいという意見が多く上がっていましたが、今後発売される予定はあるのでしょうか?
試飲するグラスには線が二本引かれています。一本目まで入れるとアルコール度数が25%位になるそうです。(必然的に)入っている原酒の量はグラス毎に異なります。水を加える事で味も香りもガラッと変わる事に驚きました。
大事ですね、、、。