第14回関西支部若手研究者交流研究発表会,午前の部に関して 2011年度は,新規に午前の部を企画し,3名の研究者による招待講演を予定しています. 各講演者は異なる分野が専門ですが,本招待講演では,他分野への分野紹介を含めた各講演 者の研究紹介という位置づけで行って頂く見込みです.是非ご参加ください. [日時] 2011年12月18日(日)10:00〜12:10 (受付は9:30開始) [講演者] 豊田政弘 様(関西大学) タイトル:連成系FDTD解析と建築音響分野への応用 アブストラクト: 音場と固体振動場の連成解析を対象とした時間領域有限差分法(FDTD法)の定式化について紹介する とともに、建築音響分野、特に遮音性能予測や放射音予測に適用した例を示す。 略歴: 2001年京都大学工学部建築学科卒、2006年京都大学工学研究科都市環境工学専攻博士課程修了。 株式会社国際電気通信基礎技術研究所非常勤研究員、京都大学次世代開拓研究ユニット特定助教を経て、 現在関西大学環境都市工学部建築学科助教。建築音響,騒音・振動制御,音響材料などの研究に従事。 2009年日本音響学会粟屋潔学術奨励賞受賞、2010年日本音響学会佐藤論文賞受賞。 吉岡拓也 様 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所) タイトル:遠隔発話音声処理のための残響除去 アブストラクト: 雑音除去,音源定位,音声認識等の音声処理技術は様々なアプリケーションに実用化され,身近に 使われるようになった.しかしながら,マイクロホンから離れて発話された(遠隔発話)音声を対 象とした場合,これらの技術の性能は劣化してしまう.遠隔発話音声では残響が無視できないから である. 講演では,この問題を解決するためのアプローチとして,残響除去技術を紹介する.残 響除去における基本的な課題は何か,どのようにして残響が除去されるのか,残響除去によってど のような効果が得られるのかについて,実例を交えながらできるだけ直感的に説明する. 略歴: 2004年 京都大学工学部情報学科卒業.2006年 同大学院情報学研究科知能情報学専攻修士課程修了. 2010年 同大学院博士後期課程修了.京都大学博士(情報学).2006年 日本電信電話株式会社入社. NTTコミュニケーション科学基礎研究所にて残響除去,音声強調,耐雑音音声認識の研究に従事. 2006年 日本音響学会関西支部若手奨励賞, 2010年 日本音響学会第28回粟屋潔学術奨励賞,2011年 日本音響学会第6回独創研究奨励賞板倉記念,音声研究会研究奨励賞各受賞.日本音響学会,IEEE各会員. 中川誠司 様 (独立行政法人産業技術総合研究所) タイトル:骨導超音波知覚の解明と重度難聴者用の新型補聴器への応用 アブストラクト: 骨伝導で呈示された周波数 20,000 Hz 以上の高周波(骨導超音波)であれば,聴覚健常者はもとより 重度難聴者にも知覚される場合があるが,その知覚メカニズムには不明な点が多い.我々の研究グルー プでは神経生理計測によって,骨導超音波が重度感音性難聴者にも音として知覚されること,骨導超音 波を振幅変調することで音声伝達が可能であることを客観的に証明した.その上で,聴覚心理計測,神 経生理計測,音響物理計測やコンピュータ・シミュレーションを駆使した知覚メカニズムの解明と,新 型補聴器へ応用開発に取り組んでいる. 得られた成果の一部を紹介しつつ,これまでの取り組みにつ いて概説する. 略歴: 1999年東京大学大学院工学系研究科博士後期課程電子工学専攻修了.同年通商産業省工業技術院電子技術 総合研究所入所.現在,(独)産業技術総合研究所主任研究員.博士(工学).ヒト聴覚機能推定と福祉・ 医用工学への応用に関する研究に従事.2003年ドコモ・モバイル・サイエンス賞,2004年バイオビジネス コンペJAPAN優秀賞,ISBET Creative Research Award,2006年市村学術賞,Nature Medicine-Anges MG Biomedical Award,2009年科学技術分野の文部科学大臣表彰等受賞.日本音響学会,日本生体医工学会, 計測自動制御学会,IEEE,Association for Research in Otolaryngology などの会員. [実行委員] 委員長 坂本眞一(滋賀県立大学) 超音波 長谷芳樹(神戸市立工業高等専門学校)・吉田憲司(同志社大学) 音声 南條浩輝(龍谷大学)・翠 輝久(情報通信研究機構) 聴覚 添田喜治(独立行政法人産業技術総合研究所)・松井淑恵(奈良県立医科大学) 音楽音響 江村伯夫(独立行政法人産業技術総合研究所)・松本じゅん子(長野県看護大学) 電気音響 中山雅人(近畿大学)・吉岡拓也(NTT コミュニケーション科学基礎研究所) 建築音響 佐藤逸人(神戸大学)・豊田政弘(関西大学) 騒音・振動 上田麻里(独立行政法人産業技術総合研究所)・宮川雅充(関西学院大学) [主催] 日本音響学会関西支部 http://wwwsoc.nii.ac.jp/asj/KANSAI/index.html